味覚障害|いわき市 笹木歯科クリニック

味覚障害

どんな病気か

味覚障害 味覚障害は、味覚減退・味盲(みもう)・味覚過敏とも呼ばれています。主に食物の味がわからなくなる病気です。

何も食べていないのに口の中で苦い・甘い・渋いなどの味がしたり、「ご飯を食べても味がしない」「嫌な味がする」など何を食べてもまずく感じることもあります。

味覚障害は、年をとるとおこりやすく、高齢になるとこの病気になる人が増えてきます。男女比は2:3で女性に多いです。

症状

味覚障害
  1. いつもより味が薄く感じる
  2. 味がまったく感じられない
  3. 何も食べていないのに口の中で苦い・甘い・渋い味がする
  4. 本来の味とは違う、嫌な味がする
  5. ある味だけがわからない(甘みはわかるが、塩味がわからないなど)
  6. 濃い味だとわかるのに薄い味がわからない

味覚障害のタイプ

味覚障害
  1. 味覚減退
    「味が薄くなった」「食事がおいしくない」などのタイプ
  2. 味覚欠如 無味覚
    「全く味がしない」「何を食べても砂を食べているようだ」などのタイプ
  3. 自発性異常味覚
    何も食べていないのに、味がするタイプ
    老人に多いのは苦味・塩味・渋味を感じるタイプで甘味・酸味を感じるケースもあります。
  4. 解離性味覚障害
    基本味のうち1ないし2種類の味が識別できないタイプ
    「チョコレートの味がしない」「「料理の塩加減がわからない」などです。
  5. 異味症
    「醤油が苦い」など本来の味と異なる味を感じるタイプ
  6. 味覚錯誤
    本来の基本味を異なった基本味として感じるタイプ
    塩味や酸味を苦味と感じたり、塩味を酸味と感じたりすることもあります。
  7. 味覚過敏
    味覚が敏感になってしまうタイプ
  8. 片側に味覚消失があるタイプ
    舌の片方の味を感じないタイプで、片側の神経障害が原因と思われます。

原因

1. 味蕾への外的障害・放射線治療

味覚障害 舌や軟口蓋の炎症や外傷・火傷が原因で起こります。
また、頭頚部への放射線治療の既往があると、照射後2ヶ月ごろをピークとして、味細胞障害・神経障害・唾液分泌障害・循環不全などを生じます。

通常なら1〜2年で徐々に改善されていきます。

2. 味物質の到達障害

舌苔が多かったり、舌の表面の茸状乳頭や糸状乳頭に異常があると起こります。また唾液の量が極端に少ないことも原因になります。

3. 味蕾細胞の内的障害

血液検査・ミネラル検査(オリゴスキャン)によって検査します。
亜鉛欠乏による味覚障害が最も多く、味覚障害の70%程度は亜鉛の投与で治癒または改善されます。 

4. 味覚伝導路障害

電気味覚検査(EMG)または濾紙ディスク法で検査します。
耳鼻科での喉の手術や、歯科での伝達麻酔などで神経が損傷すると起こります。この検査によってどの神経に障害があるかがわかります。

5. 食物の味に関連する他の感覚の障害

味覚検査は正常でも嗅覚に異常(嗅覚障害)があると味覚障害が起こります。
アリナミンを静脈注射するアリナミンテストで検査ができます。
にんにく臭を感じるかどうかを計る方法です。

また、抜歯後に舌ざわりや歯ざわりが変わったため「味がおかしい」と感じることもあります。

6. 心因性によるもの

仮面うつ病・不安神経症など心因性のストレスが原因での味覚障害です。 本人が自覚していない場合が多く、心療内科での検査が必要になります。

7. 老化

よく味覚の減退は年をとったせいだといわれていますが、70歳代でも甘味の閾値は20歳代と有意差はありません。塩味・苦味・酸味が倍数希釈で、1段階落ちるのみです。

8. 全身疾患

腎臓・肝臓疾患での亜鉛の体外への排出・糖尿病の悪化でも味覚障害がおこることもあります。

味覚障害の治療

検査

1. 顕微鏡検査

味覚障害 舌表面の観察のため10倍以上の拡大顕微鏡で行う検査で、茸状乳頭や糸状乳頭の状態を検査します。

2. 電気味覚検査

味覚障害 舌のまわりの数か所に弱い電流を流す検査で、舌・耳・その他の神経が原因かがわかる検査です。

3. ろ紙ディスク検査

味覚障害 舌の複数の場所に味を浸した“ろ紙”をのせて、何の味かを調べる方法で、味覚障害の種類がわかる検査です。

4. 基準嗅覚検査

味覚障害 アリナミンを静脈注射して、にんにく臭がするかを調べる検査です。

5. 唾液分泌検査

味覚障害 専用のガムを噛むことで唾液の量を計る検査です。

6. 心理テスト

心療内科で行う検査でCMI・SDS・MASの3種類の質問紙を使用します。

7. 採血

血清亜鉛、銅、鉄などを測定して調べます。

8. ミネラルバランス検査

オリゴスキャンを使用して、体に必要なミネラルや有害金属の量を調べる検査で、特に亜鉛の不足量が分かります。

味覚障害

治療

1. 亜鉛欠乏性味覚障害

ほとんどの味覚障害は亜鉛不足によるものなので、亜鉛を補います。 因みに亜鉛1日必要量は9~12mgです。

2. 薬剤性味覚障害

薬剤による味覚障害は全体の1/5程です。
亜鉛代謝を阻害する薬剤は多く、200種類以上にも及びます。

  • (NSAIDS)ブルフェン・スルカム・ボルタレン・アスピリン・ポンタール
  • (抗菌薬)クラリス・ダラシン・テトラサイクリン・クラビット
  • (抗真菌薬)イトラコナゾール・ミコナゾール・アモホテリシンB

上記の原因薬剤の使用を中止したり、減量したりする必要があります。これに亜鉛剤の内服がつけ加えられることもあります。

3. 神経障害による味覚異常

神経障害に効果が期待されるビタミン剤や循環改善薬などが使われます。

4. その他

虫歯・歯周病・口腔乾燥(ドライマウス)などの歯科疾患が味覚障害の原因になる場合もあります。虫歯・歯周病を治し口腔環境を整え、含嗽・保湿剤などを処方します。

セルフケア

味覚障害の治療は、歯科・耳鼻咽喉科で行うだけではありません。セルフケアも大切なポイントです。

1. 食事・栄養

味覚障害 偏った食生活や食品添加物(保存料)の過剰摂取は、味覚障害につながります。

ジャンクフード・コンビニ弁当・レトルト食品などを控えめにして、できるだけ家庭食を心がけることが大切です。

野菜・魚介類・肉類と、バランスのとれた食事をとり、特に、亜鉛が多く含まれている食材を食べましょう。

味覚障害 また、最近よく見られるのが“無理なダイエット”による味覚障害です。食事制限をすることで亜鉛不足になってしまいます。

また、必要な栄養素が摂取できないと味蕾細胞の新陳代謝が起こりにくくなります。

新陳代謝を活性化させるためにも、1日3食バランスのよい食事をとりましょう。

2. サプリメント

味覚障害 どうしても栄養が偏ってしまう場合は、サプリメントを利用するのも方法の1つです。

亜鉛が凝縮されているサプリメントが販売されています。
亜鉛サプリメントを毎日摂取していけば、自然と症状が和らいできます。

3. その他

過度な喫煙が味覚を低下させる恐れがあります。
喫煙している方は、この機会に少しずつ本数を減らすことをお勧めします。
また、常に口の中を清潔に保つことも大切です。 ブラッシングや定期検診などの口腔ケアを行いましょう。